Regional
Development
Studies
追手門学院大学地域創造学部ウェブサイト
藤井 正
-Fujii Tadashi-
地域創造学部 観光コース担当教員
幅広い知識と経験で
地域をより広く・深く捉える目を養う
―― ゼミでの活動について教えてください
現在担当している4年ゼミでは、卒業制作と卒業論文による卒業研究を行いました。卒業制作は3グループ(女性4人組、男性2人組が2班)、卒業論文は1名でした。
―― 卒業制作はどのような内容でしたか
まず、女性4人組のグループは、ヨーロッパからチョコレートを輸入し加工・商品化してきた日本チョコレート株式会社という総持寺キャンパス近くの会社が新たに企画した、満月ポンという大阪の煎餅にチョコレートでコーティングするという商品の開発事業に参画しました。主にパッケージデザイン等を行いました。満月ぽんの白いうさぎのキャラクターをチョコ色にし、チョコのかかった満月のイメージのパッケージにプラスチックの容器と、かなりかわいい現代風なデザインに仕上がりました。
満月ぽんの会社がコラボ好きな会社であることや、日本チョコの社長が追手門学院高校出身であったことなど良い条件が重なり、プロジェクトがスタートしました。
当制作が取り上げられたプレスリリースはこちらから
―― その他の制作についても教えてください
1つ目の男子2人組は、京都府亀岡市にあるリノベカフェの調査を行い、オリジナルマップも作ってInstagramで紹介するという発信を行いました。まず、リノベカフェの全国の状況についての文献やサイトで検討してから、実際に亀岡に赴いて調査を行いました。市役所の聞き取りから始めてカフェの聞取りも実施しました。
2つ目の男子2人組は、スポーツ体験企画を通じた地域との繋がりをテーマに行いました。二人はサッカー経験者で、キャンパス周辺の<太田知恵の和>という地域連携活動で、私とつながりのあった女子サッカーチーム(FC茨木ESB)とコラボしサッカーイベントを企画しました。11月には小学校PTAとも連携したイベントにおいて、サッカー関連2つと縄跳びを使った企画を実施しました。新型コロナウイルスの流行によって制限はありましたが、何とか形になりました。
―― 卒論についてもご紹介ください
東京タワーや城の天守閣などの町のシンボル的なタワー建築について調査しまとめました。単純に電波塔として建てられたものや、高い建物自体がシンボルになる事が多いため、これらにある共通点や天守閣再建の時期の共通性を見る論文を作成しました。
―― ゼミの雰囲気はどのようなものですか
4回生は計9人でした。私の着任初年度の3年生だったためばらばらのメンバーが集まりましたが、最終的にはほかの班の心配をするなど、まとまりが出てきました。
―― 藤井先生の研究テーマについて教えてください
都市圏・郊外の地域構造や、地域づくりを研究テーマにしています。
地域構造は、都市の構造や景観に現れたものから特徴を捉えていくものです。地域づくりでは地域の個性を生かした地域づくりとは何かを考えています。この要点については、春学期に担当する「観光地理学」で、仲間とまとめた『新版 地域政策入門』という教科書と使って説明しています。これは前任の鳥取大学地域学部時代から追手門学院大学の地域創造学部へと継続し発展させています。今は大阪にもこの追手門の地域創造学部がありますが、鳥取大学は、日本の中でも初期に地域創造学部のような学部ができた大学でした。
―― どのような学生にゼミに来てほしいですか
いろいろな人がいるといいなと思います。
役割分担をしないと卒業制作は難しいですし、いろいろな人がいることで広がる人とのつながりこそが地域創造であると考えています。こだわりを持って人とつながりを持つ人が良いですね。
また、自分の将来ビジョンと地域づくりが重なっていけば最高です。自分がこんなことがしたいというイメージを地域で具現化し、さらにその先に自分の将来ビジョンへのキャリアデザインとともに、地域も魅力になっていくことが続いていくことが一番いいと思います。地域を対象にしたこの学部ではそのつながりが保ちやすいです。
また卒業制作においては、イベントを開催して終わり、ではなく、その目的やその後にどのような効果があるのかを学術的な形にしなければならないため、イベントのノウハウがあるだけではいけません。より幅広い視点を持って、自分のやりたいことの社会的な意味を深めていくことが重要です。