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​井上 典子

​ーInoue Norikoー

​地域創造学部

地域政策コース担当教員

都市は都市だけでは
なりたたない。

―― 研究のテーマ・現在取り組んでいることについて

   教えてください

イタリアの都市地域政策です。

 現在は、北イタリアの大都市圏を対象に、環境再生、コミュニティ再生などのテーマに取り組んでいます。

 社会連携の取り組みとしては、特に滋賀県にある日野町を対象に、空き家問題など、この町の課題を地域の方々と協力して解決する活動を行っています。

―― 面白いことや興味があったことについて

   教えてください

 最近面白かったのは、イタリアで見た地域の人たちによる古い社会センターの再生です。

 この社会センターは、もともとは集合住宅の中に1960年代に作られて、住民がいっしょに学習したり、話をしたりパーティーをしたりする場所だったのですが、今はボロボロになってしまったその場所を日曜日ごとに住民自ら修復する活動が面白いと思いました。住民といってもそこに暮らす人たちだけでなく、地区以外や町以外からも多くの参加者が来ています。また、参加者には様々な分野の専門家が含まれるので、行政に頼らなくても修復事業を進めることができるのです。参加者の多くは、とても若い世代です。INstabile Portazza(外部サイトにアクセスします)と呼ばれるプロジェクトですが、ネットで調べてみてください。

―― 卒業研究について教えてください

 

 「滋賀県 日野町での活動」

 日野町は周りが山に囲まれていて、現在の市街地は古い城下町として形成されました。その中で、様々な商業活動が発展しています。

 最初は商店街での聞き取りから開始しました。高齢化は顕著ですが、若い世代の意見は貴重であるとして若者会を作って積極的にその考えを取り入れ活動を進めています。

現在は空き家の再利用地域鉄道との連携など、学生さんたちが、幅広く日野町の課題に関わる調査を行っており、道を歩いていると、「追手門の学生さんですか?と地域の方々から声をかけていただけるようになりました。

 今年の2月にも、古い商店街の写真展を企画し、実施しました。小さい町だけど、とても雰囲気がいい日野町への興味は尽きません。これからもしばらくは、卒業論文や卒業制作のテーマにしたいと考えています。

―― 求める生徒像について教えてください

​ 色々な人が来てくれたら、と思います。基本的に、ゼミ活動は自由であるため、生徒のやりたいことがゼミの雰囲気と合致した人におすすめです。イタリア都市政策に興味ある人が来てくれると話が合うため嬉しいです。イタリア映画で卒業制作をまとめた学生さんもいました。

―― ゼミで実践的に学べることについて

   教えてください

​ イベントやフィールドワークなど、活動範囲も広く設定し行えるため実践力はまず鍛えられます。地域の人たちと関わり、地域の課題を具体的に認識でき、その課題解決に向けた取り組みの中で、都市政策等についての専門的な知識を学ぶことが出来ます。

―― 都市政策の入門となる専門書について

   教えてください

ドロレス・ハイデン著

『場所の力―パブリック・ヒストリーとしての都市景観』

  • 建築・都市計画の専門家と、歴史家、デザイナーなど、さまざまな人々との協働作業をつうじて、「場所の力」を顕在化するための理論と実践について著されたもの(本書内容説明より引用)

  • いわゆる歴史や文化といったものとは異なる視点から都市の魅力を掘り起こしているので、興味ある方は読んでみると面白いと思います。

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